昨日3月12日に改正道路交通法が施行され、新しい制度がスタートしました。主な改正点は、(1)準中型運転免許の新設、(2)高齢運転者対策の推進、の二つです。
準中型免許については過去記事を参照して下さい。
ここでは高齢運転者対策の推進についての解説をしていきたいと思います。
◇そもそも高齢者講習って何?
70歳以上の高齢者の運転者は免許の更新をする際に自動車学校等で高齢者講習なるものを受講しないと免許の更新ができないシステムになっています。まぁこれは高齢者の事故が年々増え続け、国がなんとかしよう!と法律を過去に改正したからなんですね。
ずーっと昔は高齢者講習なんてものはそもそもありませんでした。
しかし高齢ドライバーの増加と共に認知症が原因とみられる事故や、加齢に伴う身体機能の低下が原因とみられる事故など、高齢者特有の事故が増え続けてきました。
そこで高齢者講習が1998年にスタートしました。
内容は高齢者本人に自分の運転能力や技能水準を自覚してもらう目的で、DVD等の映像と講習で交通規則を再確認し、動体視力や夜間視力を測定するほか、実際に車を運転して同乗した指導員から運転技術について助言を受け、危なかった点などについて話し合うといったものです。
◇高齢者講習で事故は減った?
しかし現実、最近では「高速道路の逆走」や「ペダルの踏み間違い」などの認知能力の低下に起因する事故が多い傾向にあります。そしてその高齢者事故を減らすために講習の内容も少しずつ法改正が行われて変化をしてきました。
事故の減少率が思ったより良くない。そこでまたまた今回改正がされるわけです。
◇3月11日以前と何が変わるの?
①75歳以上の運転免許所有者全員を対象に、一定の違反があった段階で臨時の「講習予備検査(認知機能検査)」を実施。②更新時や臨時検査で1分類とされた人全員に医師の診断を義務付け。(受診先は認知症の専門医で、受けなかった場合や医師が認知症と診断した場合免許取り消し)
③高齢者講習を「認知症の疑いがない」と判定された人は2時間、「認知症の疑いがある人」は3時間の講習に時間と内容を変更。
では①の一定の違反があった段階で臨時の「講習予備検査(認知機能検査)」の違反の項目はというと、警察庁が認知症の専門医を含む調査研究委員会を設置して検討した認知症が原因となることが多いとみられる以下の18項目の違反行為です。
【18項目の違反行為】
・信号無視
・通行が禁止されている道路を通行
・歩道の通行や逆走など通行区分違反
・Uターン禁止の道路でのUターン
・進路変更禁止を示す黄色の線を越えて進路変更
・一時停止をせず踏切に立ち入り
・交差点で徐行せずに右左折
・直進レーンを通行中に右左折
・徐行せずに環状交差点で右左折
・優先道路を通行中の車両の進行を妨害
・交差点で直進する対向車を妨害して右折
・環状交差点内の車両の進行を妨害する
・歩行者が横断歩道を通行中に一時停止せずに通行
・横断歩道のない交差点で歩行者の通行を妨害
・徐行しなければならない場所で徐行しない
・一時停止をせずに交差点に進入
・右左折する時に合図を出さない
・ハンドル操作を誤るなど安全運転義務に違反
◇「講習予備検査(認知機能検査)」の分類分け
【分類】第1分類:「記憶力・判断力が低くなっている者」
第2分類:「記憶力・判断力が少し低くなっている者」
第3分類:「記憶力・判断力に心配のない者」
この3つの分類に分けられます。
検査の内容は以下のような問題を解いてもらうような形式のものです。
今回の改正で事故防止にどの程度の効果があるのかはまだまだわからないところですね。。。
高齢者特有の事故が減ってくれる事を願います!
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